腸は「第2の脳」とも呼ばれ、日々の体調や精神状態に多大な影響をもたらします。
それゆえ、正しい「腸活」は痔や便秘の改善をはじめ、心身のトータルケアとしても有効的です。
こちらでは、腸内環境を整えるためのアプローチとして、痔・便秘解消に役立つ運動法を8つご紹介します。
目次(みたい場所へジャンプ)
痔・便秘改善には「エクササイズ」が効果的なワケ
痔や便秘ケアとしては、生活習慣を見直すほかにも、自律神経のバランスをよくする全身運動が効果的です。
近年の研究結果によると、自律神経と腸の相互関係により、便通異常が起こるとも考えられています。
自律神経が整うと腸が活性化し、同じように腸の働きが正常になれば、自律神経や脳にもプラスの影響を与えるのです。
しいては、身体全体をリラックスさせながら、ウォーキングや体操をすることで、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促すことができます。
腸を刺激するマッサージやエクササイズをする場合も、なるべく足元や下半身も意識して動かすようにしましょう。
排便の際に使われる筋肉が鍛えられるのと同時に、自律神経もリセットすることができます。
痔・便秘を改善する運動まとめ
それでは実際に、腸の働きを調整する運動法やストレッチを取り上げていきます。
人によって、運動中にお腹がグルグルと音を立てたり、痛気持ちよかったりと感覚はさまざまです。
ぜひライフスタイルに見合った方法を実践し、正しい腸活にお役立てください。
両足上げ
こちらのストレッチは、腸全体が下がり、ポッコリお腹や頑固な便秘を引き起こしている場合に有効です。身体の中心部を支えている「腸腰筋」を緩めるために、両足それぞれの上下運動を行います。やり方としては、
- 椅子に座り、片足を身体の根元にグーッと引き寄せ、両手で抱える。
- 息を吐きながら、片側のお尻に体重を乗せ、足の付け根が伸びるようにストレッチしてから大きく伸ばす。
- 反対の足も同様に、曲げて伸ばす運動を計2回ずつ繰り返す。
これにより、腸の位置がリセットされ、排便に必要なお腹周りの筋肉が鍛えられます。
股関節体操
続いては、腸に溜まったガスや老廃物を押し流す体操です。股関節を中心に下半身全体がほぐされ、全身の血流アップやむくみ解消にも繋がります。
- まず仰向けになり、右足を曲げて床につくまで左側に倒し、そこにそっと左手を添える。この時、右手は反対側の床に大きく伸ばし、顔も同じく右を向いたまま、胸を開いて深く呼吸する。
- 元の位置に戻し、左足も同じ動きをする(①とは左右対称に)。
- 床の上であぐらをかきながら両足裏を合わせ、かかとを腹部に引き寄せる。
- そのままの状態で、左右に身体を揺らし、時には上体を前に倒しながら息を吐き、股関節やお尻周りをほぐす。
骨盤底筋群トレーニング
婦人科などの女性のヘルスケアや骨盤、肛門機能を支えてくれる骨盤底筋。排便のトラブルにも、骨盤底筋群のトレーニングが功を奏します。普段は意識することのない骨盤底筋を刺激する運動法がこちらです。
- 仰向けに寝転んで、両膝を曲げる。
- 上体を宙に浮かせて、骨盤を顔側に傾け、骨盤底筋を締める。
- 続いてお腹を上方に突き出すようにして、②とは逆に骨盤を足側に傾け、骨盤底筋を締める。
押しもみ腸上げストレッチ
「至急出したい」時に効くのが、大腸を手押ししながら上体を前方に倒すこちらのストレッチ。手軽さゆえに、いざトイレの中でも実践することができます。横行結腸や下行結腸を刺激し、便を自然排出する力を蓄えましょう。
- 椅子に座り、右手は腰骨の上に固定、左手は肋骨下の脇腹部分を掴むように持つ。
- おじぎするように上半身をゆっくり倒しながら、両手でお腹を押す。
- 右手はそのままに、左手の位置をだんだん下方にずらしながら②の動作を繰り返す。
おしり歩き
産前産後の女性や、高齢者の方にうってつけのエクササイズです。便意はあっても出せずにいる「排便困難型」の便秘や、残便感が強い場合にもお試しを。恥骨直腸筋と呼ばれる、筋肉の緊張を緩める効能があります。
- 床に座り、両足を閉じたまま真っ直ぐに伸ばす。
- 両足を伸ばした状態で、かかとを交互に押し出すようにお尻で歩く。
- 前歩き、後ろ歩きを20歩ずつ、3セットを繰り返す。
腰(ウエスト)ひねり
「腰ひねり」は仕事や家事の隙間時間を使って、気軽に実践できる体操です。骨盤や股関節の位置を調整し、腸内の毒素を排出するほか、お腹の芯部を温めて排便を促します。
- 椅子に座り、背もたれを手で持つイメージで左右に腰をひねる。
- 1日に10回ずつ、2セットを行う。
###腸もみガス抜きマッサージ
「ガス抜きマッサージ」をすることで、疲労回復や便秘解消に繋がり、顔色をワントーン明るくすることができます。大腸に直接働きかけるため、排便の直前に行うとお通じがスムーズになります。
- 両手を重ねておヘソの下に当てる。
- 大腸の流れに沿って、ゆっくりと円を描くように時計回りに撫でさする。
金魚運動
「西式健康法」の中でも、汎用性の高いエクササイズが金魚運動です。全身の神経機能や左右の歪みを調和しながら、腸管にも適度な刺激を与えます。
- 床の上に仰向けになり、首の後ろで両手を組む。
- 足首をなるべく上方に起こし、アキレス腱をしっかりと伸ばす。
- 両足を揃えたまま、金魚が泳ぐように左右に素早く揺らす。
- 朝と夕方1回ずつ、2分間行う。
〈参考URL〉
参考URL
乳酸菌の腸内投与による自律神経活動と生理機能の変化(2009年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/23/3/23_3_209/_article/-char/ja